運動指導のプロである理学療法士が教える、子供の姿勢を良くするコツ

大人ができること

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■昔ながらの遊びの伝承と場所の提供。

■大人も姿勢を正しくするように留意すること。

■子どもの姿勢発達を見て感じ取ること。

■忙しさゆえに「遊びはゲームに任せっきり」ということがないように気をつけること。

201611-7

子どもたちの姿勢発達の観点から、昔ながらの遊びをしましょうと提言してきました。

では、我々大人が子どもたちにできることはなんでしょうか。

ここでは子どもの姿勢発達に関わる大人の役割について考えてみたいと思います。

大人ができること、それは次のようなことが考えられます。

【1.昔ながらの遊びの伝承】

昔ながらの(かつ屋外での)遊びには、鬼ごっこやだるまさんがころんだ、かくれんぼ、ケイドロなど様々な遊びがあります。

もちろんジャングルジムや登り棒、うんていなど遊具や道具を使った遊びもたくさんあります。

こういう遊びの楽しさを子どもたちに伝えていくことが大事だと考えています。

 

本来、こういう遊びの伝承は年長児から年少児へ遊びの中で自然に伝播されていたはずですが、昨今の事情ではそれも難しくなってきたのでしょうか。

そうであれば、大人がある程度導く必要があるのではないでしょうか。あくまでも導入部分としての関わりが重要で、すべてを手取り足取り教える必要はないでしょう。

 

大人は「自然に伝播されない部分だけ」を伝え、あとは子どもたちの自主性に任せるのがいいのではないかと思います。

一度日常の中で子どもと伝承遊びについて話しをする機会を持ってみてはどうでしょう。

【2.昔ながらの遊びができる場所の提供】

遊び場が確保できなければ、せっかく遊び方を伝えても意味が無いものになってしまいます。

最近では自由に遊びまわる場所がない、ということが大きな問題となっているのは周知の事実です。

空き地や公園などが少なくなってきている物理的な問題に加え、「ここでは遊んではいけません」という看板があちこちで目につきます(「ここで遊んでOKです」という看板は見たことがありません)。

 

「遊ぶ場所がないなら、どうしようもない」とつい言ってしまいがちですが、それでは子どものたちの体の発達はどんどん停滞し、子どもたちが大人になった時、弱い体力しかない大人ばかりになってしまう恐れがあります。

それは子どもたちにとってとても不幸なことです。

いえ大人も自分の子どもがすぐに骨折したり、捻挫したり、あるいは体力の弱さからくる痛みなどに悩まされる姿など見たくないでしょう。

スポーツクラブに参加させるという方法もあると思いますが、スポーツでは子どもの自主性や発想力は養われず、残念ながら遊びの中で子どもが学習していくことの代わりにはなりません。

 

大人が積極的に子どもたちの遊び場を考えていくことが必要な時代なのかもしれません。

【3.大人も姿勢が正しくなるように留意すること】

親が良い姿勢であれば、それは子どもに無意識に伝達されるでしょうし、親がだら~っとした姿勢で、子どもだけピシッとした姿勢になるはずがありません。

やはりここは大人たちが良い姿勢をお手本として見せてあげる必要があるのでしょう。

良い姿勢のお手本、といっても全く難しい話ではありません。子どもに「良い姿勢のポイント」だけ伝わればよいですから、始終良い姿勢をとり続ける必要はないのです。

 

では少しだけ座位における良い姿勢のポイントをお話しましょう。

キーワードは「UFOに引き寄せられるような姿勢」です。意味不明ですよね(^^ゞ

具体的に書くと、体を「左右対称」にして、頭上のUFOが自分を「上に引っ張り上げている」イメージで背筋を伸ばします。

またUFOに引き寄せられている最中は「あごは突き出さず、軽く引く」ということです。

専門的に書くと、「体幹は左右対称とし、脊柱を伸展させ、頚部は軽度屈曲させる」位置となります。

 

文字ではなかなかお伝えしにくいですね。ではもっと端的に書きましょう。

「腰から上をまっすぐ立っている時と同じような位置にする」ということです。

実はまっすぐに立っている姿勢は、体に一番良い姿勢なんですね。

 

このようなポイントを抑えた上で大人もいい姿勢を心がけたいものです。

【4.子どもと遊ぶ中で、子どもの姿勢発達を見て感じること】

「姿勢発達を見て感じ取るなんて、ムズカシイよ~」という声が聞こえてきそうです。

ところが、これが簡単なのです。

【3.大人も姿勢が正しくするように留意すること】、で書いたように大人が良い姿勢を心がけ、いつでも再現することができていればいいのです。

あとは大人が自分で理解している良い姿勢と子どもの姿勢に違いがあるのか、似てきたのか、それだけを判断すればOKです。

字の練習ではとなりにお手本を置きますね。あるいは下にうすーく破線で書かれた文字をなぞって練習しますね。お手本がなければ、書いたその字が良いのかどうなのか判断に困ります。姿勢もそれと同じです。

そのお手本を大人がマスターし、子どもの姿勢と自分がマスターした良い姿勢とどこが違うかを見てとればよいのです。

 

「違うのはわかったけど、どこをどうすれば良くなるかの判断はムズカシイよ」と思う方もおられるでしょう。

そういう時は、ぜひ子どもさんと会話をしながら「こうかな?」「ああかな?」といいながら実際に試してみましょう。

その中でもしかしたら、子どもさんのほうから「あ!分かった!これが原因じゃない?」という提案があるかもしれません。

そうなればシメタもの。頭の運動もできたことになります。

案外、子どもたちのほうが気づきやすいかもしれません。

【5.忙しさゆえに「遊びはゲームに任せっきり」ということがないように気をつけること】

親が忙しいとついゲーム遊びやテレビ番組を見させることで時間の都合をつけようとしてしまいます。

私の家でもいけないと思いつつもついそうなってしまいます。

 

なかなかムズカシイことではあるのですが、「テレビやゲームは使いよう」という視点が大事なのではないでしょうか。

ゲームをするから姿勢が悪くなるのではないということを再度確認しておきたいと思います。

 

悪い姿勢で長い時間、ずっとゲームをし、体を動かす機会がどんどん減ってくるから姿勢が悪くなってくるのです。

つまり、ゲーム遊びをしていても他の時間に思いっきり体を使った外遊びをしていれば、姿勢がどんどん悪くなるということはそうそうないはずです。

「悪い姿勢で、外遊びをせずに、長期間に渡ってゲームばかりしていた」、その結果姿勢が悪くなってくる、体のあちらこちらに不具合が出てくるわけです。

「悪くならないよう留意した姿勢で、思いっきり外遊びもしながら、ゲームをして」いれば大丈夫、姿勢は悪くならないよ、ということです。

 

つまり大人が気を付けなければいけないことは、「ゲームは姿勢も悪くなるから止めなさい!」ではなく、「ゲームもいいけど、外で遊ぶのもいっぱいしようね!」という視点を持てるかどうかです。

 

もちろん大人が子どものために外遊びの時間をとってあげる努力が必要なことはいうまでもありません。

友達が「外遊びよりもゲーム」であれば、子ども同士で外遊びする機会も少ないでしょう。

そうであれば大人(親)が子どもと外遊びをするしかありません。

お忙しいでしょうが、どうぞ子どもさんのために外遊びの時間を共有してあげてください。時々でOKですから。

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