運動指導のプロである理学療法士が教える、子供の姿勢を良くするコツ

昔ながらの遊びの効果

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■伝承遊びには子供の発達を促す要素が多くあり、小脳の発達にも効果的だと言える。

■小脳が発達すれば、体を器用に使うなど協調性が養われることにつながる。

■色々な遊びを行うことで、バランスよく体を鍛えられる。またほとんどの遊びは、体幹機能を向上させる効果がある。

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鬼ごっこやだるまさんがころんだなど、昔ながらの遊び(伝承あそび)は体作りに、また協調性や主体性が育つという効果だけでなく、子どもの姿勢発達にもとてもよい影響を与えます。

昔ながらの遊びと姿勢発達にどんな関係が?と思われる方も多いでしょう。ここでは昔ながらの遊びが姿勢発達にどう関係するのかをお話しましょう。

【心だけでなく体の協調性も養われる「昔ながらの遊び」】

昔から伝承されてきた遊びには、実は子どもの成長を促すべく多くの効果があります。

それはただ単に「遊ぶ」ということだけではなく、まさに「こころとからだの発達」を促しているのです。

そしてそれらの遊びに教則本はありません。つまり親子から子どもへ、年長児から年少児へ自然に伝播されていくものです。

また一人っきりの遊びと違い、友達同士の関わりの中でルールを学んだり、仲間意識を養ったりしていきます。いわゆる心の協調性を学んでいるのでしょう。

 

さて、面白いことにこの協調性は、体の発達においても必要なことです。

ヒトの動きは各関節や筋肉が個別に動くことで構成されているわけではなく、すべて協調性を基礎に活動しているのです。

換言すれば、協調性がないと円滑な運動つまりなめらかな動きができなくなってしまいます。

姿勢として考えた時も、体の各部分が協調して働くことが大切です。

もしそれが不十分ならば、体がグラグラしたり運動の変換時(体の向きを変えるときなど)にうまくバランスがとれずに倒れてしまうなどの問題が生じます。

 

その協調性のコントロールを行なっているのが小脳だと言われています。

外遊び、特に、昔ながらの遊びは小脳を活性化させ、体の協調した動きを学ぶことができるという効果があると思われるのです。

つまり、子どもは昔ながらの遊びを通して、姿勢だけでなく体の各パーツを上手く協調させる練習をしているといえるのです。

 昔ながらの遊びが体の発達にもたらす効果

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それでは次に昔ながらの外遊びが体の発達にどのように効果をもたらすのかを具体的な遊びを例に挙げながら医学的(運動学的)に分析していきます。少し専門的な内容になりますがお付き合いください。


■遊具・道具を使わない遊び一例

・だるまさんがころんだ
⇒体幹の固定、動的から静的姿勢への変換能力。不安定な状態でのバランスの保持。機能足による地面の把持。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群、下肢筋、足底筋など。

・鬼ごっこ
⇒走行中の体位変換。体幹(腹背筋の同時固定)の活動性。クローズドでの下肢のキネティックチェイン(運動連鎖)。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群、下肢筋など。

・かくれんぼ
「もーいいーかーい」「まーだだーよー」と大声を出すことによる腹筋の活性化と呼吸筋の活動。じっと隠れているために体を安定化させる能力(体幹の固定)。
鬼が来ていないかを確認する際のゆっくりとした動作。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群、呼吸筋など。


■道具を使う遊び一例

・ドッジボール
⇒ボールをよけるなどの際、急速な体位変換。走り投げによる体幹の固定、または上肢活動による重心移動を体幹で固定する能力。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群、下肢筋、上肢筋など。

・竹馬
⇒バランス能力の向上。機能足(メカノレセプターの活性化)の獲得。全身の協調性ある活動。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):下肢筋、足底筋、腹筋群、背筋群など。

・登り棒
⇒上肢と下肢の協調性のある活動(パターン化された動きの中から協調性を学ぶ)。体幹筋の固定性向上。腹横筋や腹斜筋などの活動性向上。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群、上肢筋、下肢筋、足底筋、頚部筋など。

・ジャングルジム
⇒上り棒よりも複雑な姿勢(回旋の要素のある)によるバランス能力の向上。上肢下肢、体幹の協調性向上。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):上り棒と同じ。

・ぶらんこ
⇒平衡感覚の向上。内耳の発達。加速度への体幹などの順応。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群など。

・すべり台
⇒重心移動に伴う体幹の固定。加速度への順応。
※強化できる筋(もしくは活動に必要な筋):腹筋群、背筋群など。


いかがでしょうか。外遊びはこれだけ沢山の筋肉を使っているのです。また筋肉を使うだけでなく、バランスや体の協調性も学んでいるのです。

さて、上で紹介した「強化できる筋(もしくは活動に必要な筋)」のところをご覧になって、何かお気づきになりましたか?

そうです。どの遊びでも「腹筋群、背筋群」が入っています。いわゆる腹筋と背筋です。胴体の部分にある筋肉でこの二つの筋群を総称して「体幹筋」と呼びます。

しっかりと体の固定を行うにはこの体幹筋がしっかり働くことが重要です。

そして手足が伸び伸びと動くためには、体の幹がしっかり固定されていることが大事なのです。

例えばハサミを使うといったことでさえ、体幹がしっかり安定することが前提条件になるのです。

昨今の手先が不器用な子どもさんの中には、この「体幹が安定していなから」ということが理由になっていることも要因の一つとして考えられるのです。

 

そしてこのように遊びの中で体幹筋を働かせることを繰り返し学習し、また体幹筋を遊びの中で鍛えることは、「良い姿勢を保持すること」にも直結します。

 

このように昔ながらの遊びには子どもの発達において様々な効果があるのです。

 

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