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赤ちゃんは胎児の頃から、運動の練習をしている

お腹の中の赤ちゃんは、8週~10週には動きだしています。

ただしお母さんが胎動を感じるのはもう少し後になってからです。

ところで最近の知見では、赤ちゃんが行っている胎動は、滑らかな動きの全身運動のようなものであるといわれます(3D撮影技術の向上により、お腹の中の赤ちゃんの動きがよく分かるようになってきたからです)。

 

この滑らかな全身運動はGM運動と呼ばれています。

GM運動は、生まれてからの運動学習の予行練習のようだといわれます。

 

たとえば、足を交互に蹴る動き(運動)は、ハイハイや歩行獲得のために必要な動きです。
また、胎児期の比較的早い時期に見られる指しゃぶりは、生後「モノ」を口で確かめるために必要な活動のひとつであるといわれています。

 

このように赤ちゃんは、すでに胎児期に生後の動きの予行練習をしているのです。

強制的に練習させる必要はない

ところで、最近の子育ての傾向として、「運動を学習させる」ということがあげられます。

赤ちゃんが自分で座る前に、座る学習をさせる。無理やりハイハイの姿勢を取らせ、させようとする。

こういったやり方は、赤ちゃんが自主的に行っていないことなので、ほとんど意味がない行為です。

 

もうひとつ付け加えるなら、赤ちゃんの発達は人によって違いますし、発達の順が違うこともあります。

ハイハイをすることなく、立ち上がる子供などは結構いますし、ハイハイをしなかったからといって、何か重大な問題が起こるわけでもありません。

赤ちゃんはお腹の中にいる時に、生まれてからの動きの基礎練習をしてきたのですから、それが出て来るまでまってあげればいいのです。

 

もちろん、何らかの疾患や障害があれば、発達が遅れたり、順番が違うこともありますが、そういった場合は、明らかに他の発達も遅れていたりすることが多いものです。

胎児期から仕組みとしてできあがっているものを出せる環境を作る

親御さんが赤ちゃんに対してしてあげるべきことは、「赤ちゃんがのびのびと育つ環境設定をしてあげること」です。

たとえば、ハイハイをしようとしている時、部屋が散らかっていたらどうでしょうか。

部屋がすっきり片付いていれば、ハイハイの距離も伸びたかもしれませんが、洗濯物やおもちゃが散らかっていると、ハイハイを中断することになってしまいます。

 

環境設定をしてあげても、自主的に動き出さないこともあるでしょう。

そんなときはどうするか?

答えは簡単です。

「ハイハイをはじめるまで待ってあげる」ことです。

赤ちゃんの体の発達はトレーニングではありません。

自ら動くことで、動きを覚え、繰り返し動くことで上達していきます。

そのためには、「その時を待つ」ことも大事です。

 

もし待つことを楽しむことができるようになれば、育児はもっと楽しくなります。

そして、赤ちゃんが自分で動きを覚えていけば、「待ったかいがあった!」と喜びもひとしおです。

発達が少し遅れていることが心配なお父さんお母さんへ

「赤ちゃんはお腹の中で、動く練習をしていたんだなあ」とGM運動のことを思い出してください。

「だから自分で動き出すまで待ってあげよう!」と少し気持ちをゆったりとさせてください。

本当に発達の遅れがあるとするなら、その時にじっくり考えればいいことです。

だから急いでハイハイさせようとか、まだ歩かないから無理にでも歩かせようとかしないでください。

今、赤ちゃんはハイハイをするための、そして歩くための準備期間中かもしれません。

準備期間を経て、ハイハイや歩くことが自らできるようになったら、その時は思い切り褒めてあげてください。

 

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西村 猛(管理人)

西村 猛(管理人)

”触らない”理学療法士(子供の発達、特に座る、立つ、歩くなどの運動発達が専門)。一般社団法人子どもの姿勢とこころの発達研究所代表理事。コラムLatte専門家コラムニスト。 姿勢の悪い子供を減らしたい!という思いから、一般の方に向け、子供の姿勢発達や体作りについての情報提供をおこなっている。「分かりやすい解説」が好評で、マスメディアをはじめとする様々な媒体からの取材も積極的に受けている。 ■研究分野:子供の姿勢、幼児の体作り、発達障害児の身体的発達と課題

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