2015.11.28 (6)

先日、以前小学校の校長先生をされていた方に、「子供の姿勢の問題と学校の取り組み」について取材をさせていただきました。

色々有益なお話をしていただいたのですが、印象に残ったお話がいくつかあるので、今回の記事では二つご紹介したいと思います。

なお教えていただいたことについて、私なりの考察を加えています。

1.姿勢の問題が目立つようになってきたのは、およそ20年前から

今から20年ほどまえというと、平成の時代になってしばらくしてからということになりますね。40年ほど前には、子供たちは綺麗な姿勢が取れていたそうです。20年ほど前から姿勢の崩れなどが目立ち始め、口頭で修正するように指示しても、できない子供さんが増えたと言います。

【私の考察】
最近は体育座り(三角座り)がうまくできない、すぐに頬杖を付く、椅子に座る時もお尻が前にずった座り方(通称ズッコケ座り)になるなど様々な問題が起こっています。

そのこと自体も問題ですが、何より心配なのは、「こういう状態の子供たちが大人になった時や壮年期、老年期を迎えた時、今までになかった体の問題が起こる」ということが予測されることです。

例えば、40代位で骨粗しょう症になって、転倒→骨折→寝たきり(もしくはそれに近い状態)になるなどの問題です。
現代では、骨折による寝たきりはいわゆる高齢者の問題として取り上げられていますが、今の子供達が大人になった頃には、「40歳になったら、寝たきり予防を!」などというキャッチコピーができているかもしれません。

そしてなにより子供たちがそんな人生楽しくないですよね。

でもこのまま行けばそんな時代はやってきそうです。
しかし「将来起こる問題」に対しては危機感を持っている方は少ないので、問題が先送りされ続けているのが現状です。

 

2.鉄棒などの器械体操の時間が減り、サッカーなどの球技の時間が増えた

鉄棒などの器械体操(運動)の時間を授業として確保しないといけないそうなのですが、カリキュラムをこなしたあとの時間は球技に時間を取る傾向がある、とのことでした。

【私の考察】
球技のほうが子供たちは楽しいですよね。

色々な種類の球技ができれば良いのですが、時間的に難しいのが現実。
そうなると問題が起こってきます。

体の基礎ができていない状態で特定のスポーツをすれば、どこかに負担がかかり、痛みを作る原因になってしまうことも。

現代の子供たちは二極化が進んでいます。

一つは「ほとんど運動しないため、体力が落ちたり、姿勢が悪くなるグループ」。もうひとつが「スポーツなどを積極的に頑張りすぎるため、体を壊してしまうグループ」です。

体育で球技の時間が増えているということは、全体的に「体を動かすのはスポーツで」という考え方が広まってきていることの証でもあるでしょう。また器械運動というのは子供たちにとってスポーツほどは面白味もないでしょう(確かにそうだと思いますが)。

こんな理由から授業に限らず、習い事としても、スポーツが一番人気になっているのではないでしょうか。
ところが指導者を含め、大人の側に体の発達に関する知識が不十分で、スポーツの技術を教えることばかりに終始していると、「体を強くするためを考えて」スポーツを習わせているのに、余計に体を壊してしまうことが行われている、こんな笑えない話になってしまいます。

特に幼児期にスポーツをさせるのはデメリットが多すぎます。一所懸命取り組めば取り組むほど、体のアンバランスを生む原因になってしまいます。もし何かスポーツをさせることを考えているなら、体の発達面をしっかり考えた上でプログラムを立ててもらえるところに通うべきでしょう。昔は当たり前に言われていた「とにかく根性とやる気で頑張れ」的な発想しかできない指導者にかかると、子供さんの体を壊されてしまうので注意が必要です。そうなるくらいならスポーツなんて習わせないほうがずっとましです(だからといって家でゲームばかりしていたもダメですけどね)。

ではどんなことを取り組めばいいの?

姿勢を改善させたり、体を発達させるためにできるスポーツに変わる取り組みは何でしょうか。
それはいつもお伝えしている通り、「外遊び」です。これ一択です。一点付け加えるなら、「『いろいろな』外遊び」です。

なぜ外遊びがいいのかについては、当サイトをご覧いただければお分かりになると思います。
昔ながらの遊びの効果
外遊びと筋力、バランス能力
伝承遊びの効果各論

そのきっかけ作りとしても、私は学校の授業で外遊び(伝承遊び)をカリキュラム化するべきだと考えています。
伝承遊びを小学校の必須科目にするのがいいと思う理由

まとめ

子供の発達にとって何よりも一番いいのは、「まんべんなく」、「バランスよく」です。

二極化のどちらにも属さない「バランスの良い」子供さんこそ将来(体の)勝ち組になるでしょう。

将来起こり得る問題を理解し、今何をするべきかを理論的に考え、子供に無理強いをさせない。これが今の大人に求められる姿勢であろうと思います。

まずは「気をつけていれば姿勢は良くなる」、「スポーツをやっていれば体は強くなる」といった思い込みをなくすことからはじめてみてはいかがでしょうか。そして今一度「外遊び」について考えてみてください。懐かしい思い出とともに私たちは外遊びによって体作りをしていたことを実感していただけることと思います。

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西村 猛(管理人)

西村 猛(管理人)

”触らない”理学療法士(体の評価、運動指導のプロ)。コラムLatte専門家コラムニスト。 姿勢の悪い子供を減らしたい!という思いから、一般の方に向け、子供の姿勢発達や体作りについての情報提供をおこなっている。「分かりやすい解説」が好評で、マスメディアをはじめとする様々な媒体からの取材も積極的に受けている。