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無器用には二種類ある。

「無器用」という言葉を使う時、「手先が無器用」という意味で使うことが多いですよね。

ボタンが上手く留められない、はさみが上手く使えない、お箸で豆を上手くつかめない、などです。

 

これらは、細かい作業ができないことを指しているわけですが、実は「無器用」にはもう一つあります。

それが今回お話する「全身運動(粗大運動)が無器用」です。

全身運動とは、体全体、あるいはダイナミックな動き、という意味です。

全身運動(粗大運動)が無器用=体全体を上手く使えない

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では「全身運動が無器用」とはどんなことを言うのでしょう。

ひとことで言うと、体全体を上手く使えない状態です。

何もないところですぐ転ぶ、椅子に真っ直ぐに座れない、走り方が何かおかしい、など体を上手く使えない、あるいは使いこなせない状態です。

 

また真っ直ぐ立っていても、常に体がグラグラする、椅子に座っていてもすぐに体が崩れてくる、など止まっているべき時でも体が不安定になるのなら、体全体の使い方が上手く行えていない状態といえます。

 

このような「全身運動が無器用」な状態は、子供自身も疲労しやすく、運動の苦手意識ばかりが増えてしまいます。

 

原因としては、経験不足の少なさによるものと、発達性協調運動障害によるものが考えられますが、どちらの場合も「ボディイメージの悪さ」や「体に筋肉を協調させて働かせることが苦手」といった課題があります。

 

全身運動(粗大運動)の不器用さは、手先の無器用さとも関係する

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全身運動の無器用さは、手先の不器用さにとても関係があります。

 

例えば、字を書くということを考えてみましょう。

字を上手く書くには、指でしっかりと鉛筆を保持し、肩や肘を安定させる必要があります。

そのために大切なのは、「体を安定させること」です。書字の場合は体幹の安定性が重要です。

体幹が安定していないと、肩や肘はグラグラします。そんな状態では綺麗な字を書けるはずありませんね。

 

また、体が斜めに崩れた状態で字を書くことを続けていると、「体が真っ直ぐ」の感覚が分からなくなってきます(体と対象物のズレが生じます)。

 

余談ですが、このズレがずっと続けば、やがて物事の捉え方にも悪影響が出て来るかもしれません(「斜めに物事を見るという態度」など)。

体幹を強化し、全身運動能力を向上させる運動、遊び

そもそも人は全身運動がまず発達し、その後手先の器用さが発達していきます。

赤ちゃんの発達を見て分かる通り、おすわりやハイハイ、四つ這いや歩行を獲得し、それらの動作が習熟してから、鉛筆で字を書く、ハサミを使うなど手先の細かい作業を学習していきます。

つまり、手先の器用さを向上させるためには、まずは体幹をはじめとする全身の体の使い方をしっかりと学習させることが大事ということになります。

 

全身運動の器用さを向上させるには、体幹を基本とした、体全体を使う機会を多く持つことです。

いわゆる全身運動がオススメです。

例えば、ラジオ体操は、最初から最後まで行うと一通りの体の部分を使うことになるので効果的です。

また筋肉を使うことに加えて、柔軟性も向上しますので、一石二鳥です。

私が最も効果的だと思うのが、このラジオ体操です。

 

他には、公園の遊具遊びがオススメです。

ジャングルジム

その中でもジャングルジムは立体的な体の使い方をすることができますので、特にオススメです。

すべり台の逆上り

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さらに私がオススメしたいのは、すべり台の逆上りです。

通常すべり台は上から下に滑るものですが、下から両手でしっかりと側板の部分を持って、上まで上がっていく方法です。

すべり台の階段を下りるのは危険が伴いますので、階段部分は逆行せず、上まで行けば、また下に滑るようにしましょう。

 

ジャングルジムもすべり台の逆上がりも、腕(上肢)、体幹、足(下肢)のすべての筋肉を使うので、効果的な遊びです。

もちろんブランコなどの遊具もダイナミックな動きが好きなお子さんの場合、楽しみながら遊べるのでよいでしょう。

 

まとめ

■無器用には、「手先が無器用」の他に、体全体を上手く使えない「全身運動(粗大運動)の無器用」というものがあります。

■全身運動が無器用ということは、「体全体をうまく使えない」ということです。

■手先が無器用な場合、そのベースに全身運動の無器用さ(例えば体幹が上手く使えていない、など)が潜んでいることが多くあります。

■全身運動の能力を高めるには、体幹がしっかり働く基礎を作ることです。そのためには、ラジオ体操、公園の遊具を使ったダイナミックな遊びが効果的です。

■具体的には、ジャングルジムやすべり台の逆上りが体幹の強化にオススメです。また揺れなどが好きな子供の場合、ブランコなども効果的でしょう。

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西村 猛(管理人)

西村 猛(管理人)

”触らない”理学療法士(子供の発達、特に座る、立つ、歩くなどの運動発達が専門)。コラムLatte専門家コラムニスト。 姿勢の悪い子供を減らしたい!という思いから、一般の方に向け、子供の姿勢発達や体作りについての情報提供をおこなっている。「分かりやすい解説」が好評で、マスメディアをはじめとする様々な媒体からの取材も積極的に受けている。 ■研究分野:子供の姿勢、幼児の体作り、発達障害児の身体的発達と課題