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お盆に料理を乗せて運ぶと体幹機能が向上します

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子どもさんは、おうちのお手伝いをしていますか?もし何かお手伝いをさせようかなあと思っておられるなら、同時に姿勢の基本になる体幹機能の向上に効果的なお手伝いをしてもらってはどうでしょう。

さて、そのお手伝いとは「お茶碗などをお盆に乗せて運ぶ」ことです。毎日このお手伝いをしてもらうことで、体幹機能の向上を図ることができます。
ではこれがどうして効果的なのか見ていきましょう。

まずは上肢(腕)を使う時の体幹の活動についてお話します。
腕を上げたり広げたりする活動を行っているとき、使っている筋肉は腕の筋肉だけではありません。実は体幹の筋肉が重要な役割を持っています。試しに1キロ程度のもの(玉ねぎの入った袋なんかでもいいです)を持って、胸の前に(できるだけ体から離して)持ち上げてみてください。その時に腹筋が活動しているのが分かると思います。専門的にはこの腹筋の活動のことを「カウンターアクティビティ」といいます。
文字通り体の幹である体幹がしっかり働くことで(木で言う枝にあたる)上肢がスムーズに使え、その時に体がグラグラしないのですね。
持っているものや荷物が重くなればなるほど、体幹筋にもさらに強い力が要求されます。

さて、お手伝いの話に戻ります。
お盆にお茶碗などを乗せて運ぶわけですが、この時に要求される体の活動は次の通りです。
・腕の力でお盆を支え続ける。
・お盆がグラつかないように体幹に力を入れ、体を安定させる。
・お盆に乗せたものを倒さないように、腕の力を調整しながら平行を保つ。
・平行を保った状態で、バランスを崩さずに歩く(移動する)。
平行を保つことについては、いわゆるバランス能力が必要になりますが、ここでは割愛します。

このようにお盆を真っ直ぐに保ちながら運ぶ動作には体幹の固定性や収縮のタイミングなどが必要となります。つまりお茶碗などを乗せたお盆を運ぶだけで、体幹の筋力を強くすることのみならず、他のいろいろな機能についての学習が行えるということです。そして同時にお手伝いもできてしまう、と。

さらに効果的なのは、お盆を体から離すこと

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さて、少し話を広げてみましょう。
次にお盆をどの位置で保持するのがいいのか、ということについて考えてみましょう。
胸の前で保持するのか、胸からできるだけ離して持つほうがいいのか、ですね。

先に答えを書きます。
「できるだけお盆は体から離したほうが効果的」です。
なぜ?

実際にやってみましょう。
先ほどの1キロ程度のものを用意して次の二通りのやり方で比べてみてください。腹筋の働きがどう違うのか、ということに注目してください。
1.体に近い場所で胸の前に持ち上げる。
2.肘をまっすぐ伸ばした状態で持ち上げる。
片手で腹筋を触りながら行うと分かりやすいでしょう。

さて、いかがですか?

あきらかに2のやり方のほうが、腹筋に力がより要求されますね。
ですから、お盆を持つのはできるだけ体から離して、ということになります。

最後にこのお手伝いの注意点をいくつか

・腕を前に掲げるほどバランスを崩しやすくなりますから、子どもさんの状況を見ながら進めてくださいね。
・同時に足元を見ずに歩くことになりますので、歩く場所(動線)にけつまづくようなものがないかも確認してあげてください。
・配膳の時よりも、食後のお片づけの時にすることをオススメします。火傷などのリスクもないですから。

私の娘も配膳のお手伝いの時に見事にこけて料理がダイナシになったことがありました(^^ゞ
十分にご注意を!

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西村 猛(管理人)

西村 猛(管理人)

”触らない”理学療法士(子供の発達、特に座る、立つ、歩くなどの運動発達が専門)。コラムLatte専門家コラムニスト。 姿勢の悪い子供を減らしたい!という思いから、一般の方に向け、子供の姿勢発達や体作りについての情報提供をおこなっている。「分かりやすい解説」が好評で、マスメディアをはじめとする様々な媒体からの取材も積極的に受けている。 ■研究分野:子供の姿勢、幼児の体作り、発達障害児の身体的発達と課題