一つ前の記事で、「背筋をシャンと伸ばしなさい」といってはいけません、と書きました。
これはそう言われると子どもは過剰に背筋を使って腰を反らしてしまうことが多いからということと、背筋を伸ばした姿勢をとるのに背筋力はさほど重要ではないから、というのが理由です。
必要最小限の背筋力や腹筋力は必要ですが、ものすごく必要というほどでもないのです。

それよりも大切なことは、「骨盤と腰椎の位置関係を正しく学習させる」ことです。

2013_09_16

普通人が立っている時には、骨盤と背骨はこのようになっています。
骨盤のすぐ上の背骨を腰椎と言いますが、この腰椎をよく見てください。
前に弯曲していますね。これを前弯と言います。これが骨盤と腰椎の自然な位置関係です。また背骨全体では、横から見た時に「Sの字」のように見えますね?

例えば、腰が曲がった状態では、この前弯がなくなり、腰椎は後ろにカーブ(後弯と言います)します。つまり体を右横から見ると背骨全体が「Cの字」のようになっている状態です。
その時には骨盤は後ろに倒れます。骨盤と腰椎(あるいは背骨全体)の関係は連結しているので、骨盤が後ろに倒れると、腰椎は後弯します。逆に骨盤がしっかり起きている状態であれば、腰椎は前弯を保つことが容易となります。

さて、良い姿勢とは、立っていても座っていてもいかに背骨の「Sの字のカーブ」を保持できるか、がポイントになってきます。
ということは、まずは骨盤を起こすことからはじめましょう。
骨盤を起こした状態は座った方が分かりやすいです。

1.椅子に浅く腰掛けてください。
2.その状態でわざと背もたれにもたれてみましょう。そうすると骨盤が後傾するのが分かりますね。
3.今度はお尻の位置はそのままで、骨盤を起こします。体重を座骨で受けるイメージです。
4.骨盤が起きるにつれて、背骨は勝手に伸び上がっていきますね?

そして、この状態で保持すれば綺麗な座位姿勢のできあがりです。
ただし必要以上に反り返らないような位置で骨盤を起こすことを止めてくださいね。

さあ、いかがでしょう?多少背筋や腹筋に力は入っていますが、その位置を保持するのにものすごい力がいるわけではないことが分かりますね。
その位置からさらに腰を反らしていくと、お腹が前に突き出て、背筋に過剰な収縮を感じると思います。この状態が「背筋シャキッ!」と言われた子どもがよくとる姿勢と同じなのです。
結構背筋が疲れますよね?

「背筋ピンッ!」とか「背筋をシャキッとさせなさい!」というと、子どもはこのような姿勢をとってしまいやすく、これは体にとって(腰椎や背筋にとって)良くない使い方ということになります。
ですから座位姿勢を正しくさせたい場合、「お尻の下にあるグリグリの骨(座骨のことです)に体重を乗せて座ってごらん」というと、自然に骨盤が起きた座位姿勢をとることができます。骨盤が起き上がれば背中は「勝手に」伸びてきます。あとは、長時間でもその姿勢を保てるように、背筋と腹筋の持久力が大事ということになります。

ここまでは座位でのお話でした。では立位では?
それはこの座位での骨盤と腰椎の位置関係を覚えて、それを立った状態で再現するだけです。その時少しおへそを見せない(突き出さない)ように意識させると腰の反り返りは予防できます。
まずは椅子に腰掛けた姿勢で骨盤と腰椎の位置関係を学ばせるのがよいでしょう。

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西村 猛(管理人)

西村 猛(管理人)

”触らない”理学療法士(体の評価、運動指導のプロ)。コラムLatte専門家コラムニスト。 姿勢の悪い子供を減らしたい!という思いから、一般の方に向け、子供の姿勢発達や体作りについての情報提供をおこなっている。「分かりやすい解説」が好評で、マスメディアをはじめとする様々な媒体からの取材も積極的に受けている。